任意整理とは
任意整理とは,債権者との話し合いで,個別に合意して,借金を減額等してもらうことをいいます。
元本だけでなく,利息をカットしてもらったり,分割払いにしてもらうことなどが可能です。
「話し合いだけでは,それほど借金が減らないのでは」と思われるかも知れませんが,実際には,借金の額が大幅に少なくなる場合も少なくありません。
私たちは,「債務整理チーム」を作り,徹底的に情報収集を行い,少しでも有利に交渉を進められるよう,日々,研鑚を重ねておりますので,安心してお任せください。
任意整理の主なメリット
- ○弁護士に依頼すると,各債権者からの取立てが止まります。
- ○借金が減額できます。
- ○一部の借金のみを整理することもできます。
- ○自己破産や個人再生のように官報に載ることがありません。
- ○自己破産のように各種の資格制限等がありません。
- ○裁判所を使わないので,呼び出しなどの時間的な拘束が少なくてすみます。
任意整理の主なデメリット
- ●信用情報センターに債務整理中である旨の登録がされてしまいますので,数年間は新たな借入をすることやクレジットカードを作ることが難しくなります。
- ●自己破産とは異なり,債務が全くなくなるわけではありません。
- ●個人再生と比べれば債務の減額の幅は大きくありません。
任意整理の返済代行
1 任意整理
任意整理は、消費者金融会社やクレジットカード会社と個別に交渉して返済条件を変更する債務整理の手段です。
返済条件の変更の合意が成立した後は、その合意内容に従い返済を開始することになります。
この返済については、債務整理前は口座振替で返済していた業者についても、業者によって指定された銀行口座に振り込むことによって行うことになります(一部のクレジットカード会社は任意整理後も希望すれば口座振替が可能です)。
2 業者が多数の場合
このように、合意成立後は、それぞれの業者が指定する銀行口座に振込入金する必要がありますので、任意整理を行う業者が4、5社程度以上になる場合、一つ一つ振込手続を行うのは手間であり、また、例えばA社への返済金額をB社への返済金額と勘違いするなどして振込金額を間違えてしまうこともあり得ます。
このような手間や間違いを回避する方法としては、①銀行の定期自動振込みサービスの利用や、②法律事務所による返済代行の利用があります。
3 銀行の定期自動振込み(送金)サービス
各銀行は、定期に自動で振込みを行う有料のサービスを提供しています。
例えば、離婚の際に養育費として月々5万円を月末に支払う旨の取り決めを行った場合、銀行の定期自動振込みサービスを利用して毎月末日に5万円を振り込むようにしておけば、振り込み忘れを防ぐことができ、調停調書や強制執行認諾文言のある公正証書でいきなり給料を差し押さえされるリスクを回避できます。
任意整理の返済でこのサービスを利用すれば、返済忘れによる期限の利益喪失を防ぐことができます。
4 法律事務所による返済代行
一部の法律事務所は任意整理の返済について有料で返済代行を行っており、弁護士法人心でも令和3年1月からこのサービスを開始しました。
このサービスは、月々の返済原資と手数料を法律事務所の預かり金口座に毎月入金しておけば、各業者への返済を法律事務所が代行する、というものです。
例えば、A社に月々7,000円、B社に月々9,000円、C社に月々1万1000円、D社に月々1万3000円を各返済し、返済代行手数料を1社1回につき1,100円(消費税込み)とすると、毎月4万4400円を法律事務所の預かり金口座に入金しておけば、各業者への返済は法律事務所が行うことになります。
銀行の定期自動振込みサービスの場合、返済のための原資が銀行口座にないと振り込みはできず、銀行からの連絡もありませんが、法律事務所の返済代行の場合、法律事務所の預かり金口座への入金がない場合は、債務者の方に連絡することが可能です。
任意整理による未払い利息、将来利息、遅延損害金のカット
1 将来利息とは
任意整理では,まず,将来利息のカットができるかどうかが1つの勝負となります。
将来利息とは,貸金業者と和解して以降支払いが完了するまでに発生する利息のことを言います。
将来利息のカットというと,たかだか何%かの違いに過ぎないと思われるかもしれませんが,将来利息のカットのメリットは大きいです。
普段,貸金業者から借入を行い,返済をする場合には,元本だけでなく,利息分の支払も行われます。
たとえば,大きい金額を最初に借り入れ,その後,毎月,少しずつ返済する場合だと,最初の方の毎月の返済分は,大きな部分が利息の支払に充てられていると思います。
ですから,初めの方は,毎月の返済分のうち,元本の返済に充てられる部分は少なく,なかなか元本が減らないという印象を受けることになるのです。
将来利息がカットできれば,今後,毎月返済する分は,全額が元本の返済に充てられることとなります。
このため,利息を返済していた時期と比べ,元本が減っていくことを実感でできるのではないかと思います。
当然ながら,全額が元本の返済に充てられるのであれば,完済までにかかる時間も短くなります。
2 未払い利息や遅延損害金の減額の交渉
任意整理の場合は,業者によりますが,将来利息のカットだけでなく,未払い利息や遅延損害金の減額も交渉できることがあります。
過去に,貸金業者に対する返済が滞っていると,利息や元本の支払が滞っていることになります。
このような状態がしばらくすると,約定利率よりも高率の遅延損害金が法律上発生することになります。
未払い利息や遅延損害金がカットできるかについては,もう一歩踏み込んで交渉を行う必要があります。
貸金業者にもよりますが,支払が滞った経緯や現状の返済能力次第では,未払い利息や遅延損害金の減額を合意できることもあります。
このように,任意整理を行う場合,貸金業者との間でどこまで交渉できるかは,ケースバイケースです。
ある貸金業者は和解に応じやすいが,別の貸金業者はそうではないということもありますし,交渉を行う時期によっても,貸金業者の対応に大きな違いがあることもあります。
任意整理の交渉を進めるためには,貸金業者の傾向等についての情報を得ることが重要であると言えます。
この点が,債務についての問題を集中的に扱っている事務所の強みになると言えるでしょう。
法人の任意整理
1 任意整理(私的整理)とは
債務整理として,破産などの法的な手続きを用いたものをイメージする方も多いかもしれません。
これは,私的整理ではなく法的整理にあたるものです。
債務整理をするために,すべての会社が法的な手続きを用いなければ債務整理できないわけではありません。
裁判所等を通さずに,個々の債権者と交渉し,弁済期間の延長等をしてもらう方法を任意整理(私的整理)といいます。
債務超過に陥った企業,個人について,多くのケースで私的整理が行われています。
2 任意整理の種類~再建型任意整理~
再建型任意整理とは,借入金を弁済しつつ法人の残存させる債務整理の方法です。
各債権者との間で,弁済時期の延長交渉や,債務の一部を免除してもらうなどして,会社を立て直すことを目指していきます。
3 任意整理の種類~清算型任意整理~
清算型任意整理は,会社を消滅させる方針で,残った資産等を売却するなどして弁済に充てるものです。
法的手続きをとらずに実質的な破産をするようなものといえます。
こちらの場合には,財産隠匿等の問題が生じかねないため,通常は法的な破産手続きを選択されることが多いように思われます。
4 私的整理のメリット
私的整理のメリットは,簡易迅速性,秘密保持性,費用の安さ等が挙げられます。
債務整理にかかわらず,裁判所を介した法的手続きは,私的な交渉と比較し多くの時間,労力を割くことになります。
私的整理であれば,交渉による柔軟な対応が可能であり,簡易かつ迅速に処理することができます。
また,企業にとって信用というのは極めて重要ですが,法的手続きをとって「破産手続きを開始した」などと公開すれば,企業の信用は大きく損なわれます。
私的整理では,企業の信用を維持しつつ,債務超過の状態の解消に向けて進むことも可能です。
また,基本的には法的手続きを利用するより廉価であるというのも,私的整理のメリットといえます。
5 まとめ
法人の債務整理については,利害関係者も多くなりますし,法律関係も複雑になります。
そのため,債務整理するにあたってどのような方針を選択することがよいのかを考えることも簡単ではありません。
問題解消のために,一度弁護士に相談されることをお勧めします。
名古屋で法人の債務整理をお考えの際は,弁護士法人心にご相談ください。